京都 祇園に川上あり。冬ならではの美味とおもてなしを堪能する。

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花見小路から一本西側の通り、メイン通りとは違う風情の西花見小路にはいっていくと通りの中ほどに「祇園 川上」さんはあります。昭和35年(1960年)に創業。初代の松井新七氏の時代から長く愛されてきた名店です。

現主人は18歳から修行して先代の技と魂を受け継いだ加藤宏幸氏が腕をふるいます。大人が集う街、祇園にあり正統派の日本料理店となれば敷居が高いのではと感じてしまいますが、静かで落ち着いた店内には家庭的な雰囲気が漂います。

ゲストの緊張をときほぐすことがおもてなしの一歩と考えられた初代の「親切・センス・鮮度」という信念は今でも大切に引き継がれています。一品ずつ、できたての料理を差し上げ、料理の内容を説明してリラックスして召し上がって頂く・・・板前さん達の活気あるチームプレーと気持ちの良い接客から、そんな想いが伝わってきます。

昼はお弁当と懐石、夜の料理は懐石のみ。月ごとの決まった献立はありません。今の時期ですと明石の鯛、香住の松葉蟹などの鮮魚をはじめ、ゲストの要望をもとに旬の上質な食材で日々の献立がつくられています。

懐石料理は店や値段によってコースの内容が違うことがありますが、基本は先付、八寸、お造り、椀物、炊き合わせ、焼き物、油物、酢の物、ご飯、水菓子で一通りです。最近はカロリーなどを気にして召し上がらない方もいらっしゃる様ですが、品数が多いと感じたら減らす、または別のお料理での対応もしていただけるようです。こちらのお店ではコース料理であっても、できる限りゲストの注文を聞くようにしていらっしゃるそうです。

板前割烹では、お客は料理の内容を知り、料理に込められた季節を感じ「美しさと美味しさ」を言葉で表現することが作法であると諸先輩に教えられました。例えば、八寸の器を含めた全体を観賞し「美しい」「美味しい」と感じたときには心からの一言を素直に伝える、これが板前割烹をより楽しむ秘訣です。

予約をするときにはカウンターと個室、どちらかを選ぶのですが、私は板前さんの包丁の切っ先の軌道線の美しさや、料理が目の前で出来上がるライブ感を楽しみたいので必ずカウンター席と決めています。

京都に立ち寄ったときには必ず訪れたい正統派の粋な名店「祇園 川上」。名店の粋にふれ、この冬ならではのお料理を堪能してみてはいかがでしょうか。

■京都の割烹 祇園川上(公式HP)
■川上(かわかみ)祇園四条/割烹・小料理 (食べログ)

◯住所 京都府京都市東山区祇園町南側570-122

 

(画像出典:http://gion-kawakami.co.jp/)

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